バレエでステージ映えするメイクのコツ

バレエダンサーにとって、ステージメイクはただ美しく見せるためのものではありません。表現力を高め、ステージの照明下でも顔の特徴を際立たせ、パフォーマンス全体に影響を与えるための重要な要素です。特に大きな劇場で演じる場合、顔の表情が遠くから見えにくくなることもあります。ここでは、顔を強力なパフォーマンスツールに変えるためのバレエメイクのコツをご紹介します。

1. メイク前の準備：スキンケアでキャンバスを整える

保湿が鍵

メイクをする前に、しっかりと保湿された肌が必要です。リハーサルや公演で肌が乾燥すると、メイクが割れたり、剥がれたりすることがあります。軽量な保湿クリームを使用し、毛穴を詰まらせず、肌を柔らかく保ち、パフォーマンス中も長時間しっかり保湿を続けましょう。

プロのコツ：

ヒアルロン酸やグリセリン配合の保湿剤を選び、長時間の保湿効果を確保しましょう。オイリー肌の場合は、ウォーターベースのジェルタイプの保湿剤を選ぶと、べたつきを抑えることができます。

プライマーでメイクを長持ちさせる

プライマーはダンサーの強力な味方です。肌を滑らかにし、毛穴を目立たなくし、何幕もの公演でもメイクが崩れにくくなります。肌タイプに合ったプライマーを選び、オイリー肌にはマットタイプ、乾燥肌には保湿タイプやイルミネーティングタイプを使用しましょう。

プロのコツ：

アイプライマーも使いましょう！これにより、アイシャドウやアイライナーが汗をかいても長時間持続します。

2. ファンデーションとコントゥアリング：ステージ用の立体感を演出

長時間持続するファンデーションを選ぶ

バレエ公演では、長時間崩れにくいファンデーションが必要です。肌の色に合ったミディアムからフルカバレッジのファンデーションを選び、ステージライトの熱にも耐えられるものを使用しましょう。

プロのコツ：

普段使うよりも少しマットな仕上がりのファンデーションを選ぶと、ステージライトによる余分なテカリを防ぎ、写真映えも良くなります。

コントゥアリングで特徴を際立たせる

ステージメイクでは、ライトによって顔の特徴がぼやけてしまうため、コントゥアリングが欠かせません。マットなブロンザーやコントゥアパウダーを使って、頬骨、顎、鼻などの骨格を強調しましょう。これにより、顔が立体的になり、ステージで平坦に見えることを防げます。

プロのコツ：

しっかりとブレンドしましょう！濃いコントゥアのラインはメイクがきつく見える原因となります。ナチュラルな陰影を作ることで、顔に自然な立体感が生まれます。

3. 目元：感情の窓口

アイシャドウで深みと表現力を

目元はステージ上で表情を伝えるための重要なポイントです。まずはニュートラルなベースのアイシャドウを使い、その後、クレースに暗い色を重ねて深みを出しましょう。劇的な役柄を演じる場合は、より濃く強調した色を使って印象を深めると効果的です。

プロのコツ：

アイリッドにシマーやメタリックのシャドウを使うと、ステージライトを受けて目がより際立ち、立体感が増します。

アイライナーとまつ毛でドラマチックに

アイライナーはステージメイクの要です。目元をはっきりとさせ、遠くからでも印象を残すことができます。リキッドライナーで正確で鮮明なラインを引くか、ソフトな仕上がりを求める場合はジェルライナーやペンシルを使用しましょう。下まぶたにもライナーを軽く引くと、バランスの取れた仕上がりになります。

つけまつ毛はバレエメイクの定番です。目を大きく見せ、ドラマチックな印象を与えます。自分の目の形に合った、重すぎないつけまつ毛を選び、表情の豊かさを保ちましょう。

プロのコツ：

ウォータープルーフのアイライナーとマスカラは必須です。汗をかいてもメイクが崩れないように、耐久性のある製品を選びましょう。

4. 眉毛：顔のフレーム

眉毛は顔のフレームとして重要な役割を果たし、表情を遠くからでも際立たせることができます。バレエでは、しっかりと整った濃い眉が必要です。眉ペンシルやパウダーで薄い部分を埋めて形を整え、自然に見えつつも、ステージからでもはっきりとわかるようにしましょう。

プロのコツ：

透明または色付きの眉ジェルで眉を整え、パフォーマンス中も崩れないように固定しましょう。

5. チークとハイライト：顔に命を吹き込む

チークで自然な血色を

チークは見落とされがちですが、肌に命を吹き込む重要なアイテムです。ステージライトの下では肌が洗い流されて見えることがあるため、頬に血色を与えることで、元気で生き生きとした印象を保つことができます。ローズやピーチ系のチークが、自然な血色感を再現します。

プロのコツ：

チークは通常より少し高めの位置に塗ると、顔が引き締まって見え、動きの激しいパフォーマンス中でも色が消えません。

ハイライトで輝きを

ハイライトを使うことで、特定のバレエ役柄にふさわしい輝きを顔に与えることができます。頬骨、眉骨、鼻筋など顔の高い部分に軽くハイライトを入れると、立体感が出て顔全体が輝きます。あまりギラギラしたものではなく、自然な輝きを選びましょう。

プロのコツ：

肌の色に合ったハイライトを選びましょう。ほとんどの肌タイプにはシャンパン色がよく、クールな肌色にはシルバー系が合います。

6. リップ：表現の仕上げ

唇は感情表現において重要な役割を果たします。ステージメイクでは、リップは鮮明に定義され、目立つ色が理想的です。深紅、鮮やかなピンク、濃いベリー系の色などがメイクにアクセントを加え、ステージ上で際立ちます。

プロのコツ：

リップライナーを使用して口紅のにじみを防ぎ、リップの輪郭をはっきりさせましょう。マットなロングウェアタイプの口紅を選ぶと、パフォーマンス中も安心して使用できます。

7. メイクの仕上げ

すべてを固定

メイクが完成したら、最後にセッティングスプレーを使ってすべてを固定し、パフォーマンス中に崩れないようにしましょう。セッティングスプレーを使うことで、メイクの持ちが良くなり、ステージライトの下でも安心して動けます。

プロのコツ：

マット仕上げのセッティングスプレーを選ぶことで、照明による余分なテカリを防ぐことができます。